膣カンジダ症は真菌(カビの一種)が繁殖して性器に起こる炎症です
常在菌(体に元々存在していて、病原性を示さない菌のこと)であるカンジダ属というカビの一種に感染して起こる性器の炎症です。セックスなどでパートナーからうつったカンジダが繁殖したり、もともと膣内に常在していたカンジダが、糖尿病、ステロイドの服用、免疫抑制剤の服用などで体の抵抗力が低下したところを見計らって繁殖することで発症します。
膣カンジダ症の代表的な症状としては、外陰部がかゆくなったり、赤く腫れあがったり、お粥・ヨーグルト・酒かすのような白いおりものが増加します。膣カンジダはこれらの臨床所見による判断だけでも診断することは可能ですが、確定診断に際しては膣分泌液を特殊なへらで採取・培養して調べることが望ましいとされています。
カンジダ属の保菌率は妊娠していない女性で約15%、妊婦で30%となっており、保菌者でも無症状の場合はカンジダ症とは診断されないため、治療の必要はありません。また無症状のパートナーの治療も必要ありません。
治療は、糖尿病などが発症の誘引となっている場合は、その除去に務めます。そうでない場合には、抗真菌薬(イミダゾールなど)の膣状、外用薬、膣洗浄などを行います。抗真菌薬が比較的効きやすい性感染症ですので、通常は数日で軽快に向かいますが、一部は治療が効果を示さなかったり、再発を繰り返すものがあります。このような場合には医師の指示のもと薬剤の変更を行います。