ヒゼンダニが皮膚に潜り込んで卵を産み、増殖する疥癬(かいせん)
疥癬虫(ヒゼンダニ)は、円盤の形をしていて半透明、背中に棘のような突起をたくさん持っています。メスは交尾後に、皮膚の下にトンネルを掘って、卵を産み付けます。卵は3~4日でかえり、脱皮を繰り返して、10~14日ほどで成虫になります。
疥癬の感染はセックスだけでなく、長年寝起きをともにしている家族間での感染も少なくありません。ベッドやシングを共有する職場の仮眠室、病棟などで感染した例もあります。
疥癬の症状は、感染してから約1ヶ月の潜伏期間を経て、激しいかゆみ、特に夜になると睡眠に支障がでるほどの強いかゆみが現れます。おへそを中心に、腹部、下腹部、太ももの内側、わきの下などに小さな発疹が出たり、外性器やわきの下などに、小豆大の褐色を帯びたブツブツができたりします。
また、疥癬トンネルと呼ばれる線状の発疹が、手のひら、指の股の部分、手首の関節にできます。トンネルは長いもので数センチになり、表面からわずかに盛り上がって先端に水疱ができます。そこがヒゼンダニのメスが産卵を行った場所です。
我慢できないほどの強いかゆみがあるからと、無闇に掻き毟ると湿疹が広がったり、膿を持ったりしますので、できるだけ早く皮膚科の医師に診察してもらいましょう。
性器の周りが痒くなるケジラミはシーツやタオル等の共有でもうつります
ケジラミは楕円形で、体長は1~2ミリで体にたくさんの突起があり、鋭い口を持っています。ケジラミはこの口で1日数回人間の血を吸い栄養源としています。卵から孵化した幼虫は、脱皮を繰り返して成虫となり、交尾をして産卵をします。卵は陰部の毛の根っこの部分(毛根)に産み付けられます。成虫の生存期間は3~4週間ほどで、この間に30個前後の卵を産みます。
ケジラミは主にセックスの際に、互いの陰部の毛が接触することでうつります。ケジラミは適当な温度と湿度の環境化にあれば、48時間生存することができるため、シーツやタオル、毛布などにしがみつき、他の人にうつることもあります。しがって、セックスしなくても、家庭内で感染したり、職場の宿直室や仮眠室で移ることもあります。
ケジラミに感染すると、1~2ヶ月してから性器の周囲が痒くなり、かき傷による毛包炎を起こしたり、湿疹ができたりします。医療機関を受診する際には皮膚科を選択してください。